作者『Real Integrity』さんのEA『Flex Beggar』を検証評価した結果をご紹介します。
総合評価採点→82点/(100点満点中)
■検証評価コメント:
『Flex Beggar』は、以前に注目されたことのある『Pips Beggar』の強化版とのことです。
バックテストを見る限り、基本的なものは『Pips Beggar』の初期タイプと変わらないようです。
当初は『Pips Beggar』が出た時は、なかなか良いEAだなと思っていたのですが、バグも多く、バージョンアップするたびに微妙になっていき、途中からはもう使わなくなっていました。
今回はバグもなくきちんと機能してくれればいいなと期待しています。
ただし、『Pips Beggar』のレビューでもお話ししたように、「ボラティリティの低い時間帯を狙って、少ないPipsを拾っていく」ロジックということで、こういうタイプのEAはどうしてもテストとリアルトレードの相関性がズレやすいです。
さらに、今回のバックテストの結果を見ると、全体的にトレード数が少ないです。
それを補うために多数の通貨ペアに対応させていて、合算で稼ごう(リスクも分散しよう)という趣旨は分かるのですが、問題はそこよりも、トレード数が少ないということはカーブフィッティング(過剰な最適化で偶然性が高くなること)が心配なのです。
1通貨ペアあたりの、1年間の平均トレードが72回と少ないですから、データとしての信ぴょう性が低くなってきます。
また、ボラティリティの低い時間帯で細かいPIPSを取りに行くロジックとなると、maxSpreadとslippageのバランスを保つのがとても難しくなります。
小さすぎると約定しませんし、大きすぎると利益が食われてマイナスになってしまいます。
とは言え、 『Flex Beggar』はもともとのプロフィットファクタが高いですし、最大ドローダウンも低いですので、あまり期待しすぎなければ良いEAだと思います。
ポートフォリオへの採用も良いと思います。
あとは、通貨ペアによってはパフォーマンスが低いものもありますので、見極めて使うようにしましょう。
また、『Flex Beggar』はEAのパラメータを、そのままの値で使うことができません。
各通貨ペアごとに、個別にパラメータを調整しないといけません。
必ずマニュアルの推奨値通りに、利益幅やmaxSpreadやslippageを変更した上で使う必要があります。
※余談ですが、このEAの作者さんはゲムフォレックスのレビュー投稿欄を消しています。そこはちょっと不信感を持つところです。
■個別項目評価採点:
プロフィットファクタ:20点/(20点満点中)
最大ドローダウン:20点/(20点満点中)
1年間の取引数:7点/(20点満点中)
資産グラフがキレイな右肩上がり:19点/(20点満点中)
売りと買いのトレード数のバランス:8点/(10点満点中)
トレード手法の安全性:8点/(10点満点中)
それでは実際に、EA『Flex Beggar』の過去10年間以上のバックテストの結果を見ていきましょう。
下図のストラテジーテスターレポートをご覧ください。
・プロフィットファクタ:2.90(全通貨ペアの平均)
・最大ドローダウン:0.54%(資金3000ドル約30万円・ロット0.01の場合、全通貨ペアの平均)
・1年間の取引数:約72回(全通貨ペアの平均)
・使用通貨ペア:USD/JPY,USD/CHF,USD/CAD,NZD/JPY,GBP/CHF,EUR/JPY,EUR/CHF,EUR/CAD,EUR/AUD,CHFJPY,CAD/JPY,AUD/USD,AUD/NZD,AUD/JPY,AUD/CAD
・使用時間足:全時間軸対応
(↓以下は作者「Real Integrity」さんの説明です↓)
マニュアル記載の推奨パラメータでバックテストを実施し、パフォーマンスをご確認ください。
当自動売買ソフトウェアは、『Pips Beggar』の強化版であり、ボラティリティの低い時間帯を狙って、少ないPipsを拾っていくことを目的としています。
長期的な順張り・短期的な逆張りを基本とした売買ロジックは踏襲されており、強化された点は、下記の通りです。
・売買のロジックを調整しました。
・毎日の取引時間を設定できるようにしました。
・強制利確を設定できるようにしました。
・トレンドフォローの度合い(長期的な順張りをどの程度厳格に適用するか)を設定できるようにしました。
(↑以上が作者さんの説明です↑)
ということで、『Flex Beggar』は良いEAですので、ポートフォリオに加えていきましょう。
ただし、EAのロジックからして、テストとリアルトレードの相関性がずれやすいですので、あまり期待はしすぎないほうがいいでしょう。
また、通貨ペアによってはパフォーマンスが低いものもありますので、見極めて良いものを使っていきましょう。
そして、通貨ペアごとにパラメータ調整が必要ですので、必ずマニュアルに沿ってデータを変更して使いましょう。
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